Football

スポーツにおいて最も重要なスピリット「闘争心」

闘争心

今回のwriterを務めるのは「koyo」です!
少しずつですが、記事を増やしていきます(;^_^A

今回の記事のテーマはスポーツにおいて最も重要な要素の1つとして「闘争心」があるという話をしていきます。

闘争心とは辞書的な意味としては「戦ったり争ったりすることに対する意欲や気持ち」のことを言います。

もっともわかりやすく表現するなら「負けず嫌い」であるということと解釈してもらって構いません。

このメンタル要素がサッカーというスポーツにおいてどのように作用し、選手の成長に影響を及ぼすのかを考えていきたいと思います。また、闘争心はどのようにして養われるかなども考えていきます。

サッカーはメンタル面の影響を大きく受ける

試合前に音楽を聴いて心を整えているサッカー選手

スポーツだけでなく勉強やビジネスなどでも同じかもしれませんが、人間は何かをする際にメンタル面の影響を強く受けます。

例えばサッカーの試合の場面で「相手GKと1対1」の状況に自分がなったとします。

この時にゴールを決められる選手のこの瞬間のメンタル面は「絶対に決めてやる」「決めれば勝てる」など強い成功の意志とそのチャレンジに成功したことで得られる恩恵のことを考えています。

逆にこのようなシーンで外してしまう選手は「外したらどうしよう」「バーを越えないようにしなくちゃ」など失敗を恐れながらもチャレンジしている状態になっています。チャレンジできている時点で全然マシですが、失敗の要素が頭をよぎっている時点でその勝負に負ける確率は高くなります。

これは結果論に過ぎないかもしれませんが、実際に選手を指導していても自分に自信を持っている子どもは順調に成長していき、そうでない選手は何かと悩んでしまうことが多いと感じています。

闘争心とは少し意味合いが異なりますが、自信を持つためにシュートやパス、ドリブルなどサッカーにおける全ての技術を完璧にする必要はありません。どれか1つでいいので「これは誰にも負けない(負けたくない)」というモノを持つべきです。それは別に下手くそでもできることです。

サッカー漫画Daysの主人公は高校サッカーで初めてボールを蹴るような初心者ですが、彼は“走ること”においては誰にも負けないようにひたすら走り込みをします。結果、彼は試合での出場機会を掴んでいきます…
(これ以上はネタバレになるので自粛します)

これは漫画による一例なので、信じられない人もいると思いますが、ボールコントロールが下手でもチームのために献身的に走れる選手はサッカーにおいて重宝するのは事実です。

下手な奴は走るしかないのか?

とお考えになるかもしれませんが、そうではありません。
自分にとって特別となる“武器”を見つけないと、その先どころか現状を戦うことすらできないということです。

つまり、「俺はこの勝負において絶対に勝ちたい」という意志の強さが試合の流れを左右するといっても過言ではありません。サッカーは実力差通りの試合結果にならないことがよくあります。

それは監督の戦術的勝利だったりもしますが、そこには選手たちの絶対に勝ちたいという意志が必要不可欠です。どんなに監督が素晴らしい戦術を選手たちに提示しても、それを実行に移すのは選手たちですので、選手たちの気持ちが必要となります。

それらが上手く作用した結果、ジャイアントキリングが発生するわけです。

日本人はそのような“ドラマチック”な展開を好む反面、いざ自分がやろうとなると争いを避けるような姿勢を見せることもあります。常に好戦的であれとは言いませんが、勝負の世界においてはお互いに勝利を追求してこそ本当の楽しさを体験できると私は信じています。

闘争心が垣間見えたコーチの実体験

サッカー選手のスライディング

私がこれまでコーチをやってきて「闘争心」が垣間見えた体験を少し紹介したいと思います。

よくあることですが、やはりライバルチームと言える対戦相手との試合には熱が入ります。我がチームのライバルチームは近隣のチームで、コーチ同士の交流もよく行われているチームです。

そのチームとの対戦の時はどの学年でもアツい試合になります(笑)

市内大会などで戦ったときは試合中の各所で「ドンッ」と音がするくらい激しく体をぶつけ合い、ゴール前ではスライディングする選手がどちらにもいるくらい激しい試合になります。私が指揮した試合では当時の3年生で決勝戦での試合となりましたが、結果は1-0という緊迫した点差で勝利しました。正直、指揮している者からしても1点差の試合は怖いです。その分選手たちも球際の競り合いが激しくなります。この場合、ケガの心配もする必要がありますが、そんなメンタルでは到底試合には勝てません。この試合では勝利することができましたが、負けていたら相当悔し想いを選手・コーチ共にしたと思います。

また、つい最近の話ですが、2つのフットサルコートでの大会で同じチームと試合をする機会がありました。

1つ目の大会では決勝戦であたり1-3で敗北、選手たちは負けたけど“やり切れた”ような感じだったみたいで、そのゲームの指揮を執ったコーチからも負けたけどやり切った感はあったという話を聞きました。
そしてその次の大会で同じ条件で試合をした際、0-5で負けてしまいました。選手のなかには試合中に悔しくて涙ぐむような選手もいて、普段は冷静に試合をコントロールする選手が感情に任せた激しいチャージをしたりということもありましたが、これこそ私たちコーチ陣が考える「闘争心」を持っている選手たちだなと感じました。

感情をコントロールできなくなり力任せのプレーになってしまうことで、相手選手をケガさせてしまう可能性もあるのであまり良くないことですが、それくらい「勝ちたい気持ち」が全面に出てくる方が今後の成長があると私たちは考えています。まだ小学生ですし、大人のような対応を望む必要はありません。戦いに勝つためにできることに全力で取り組む経験が人を成長させます。

闘争心を養うには?

闘争心

闘争心を養うために最も効果的な方法は1つしかないと私は思っています。

その方法は「ライバルを見つけさせる」ことです。

サッカーはチームスポーツですので、複数人の同世代の選手と練習や試合をすることになります。まずはチーム内にライバルを見出しましょう。

常に共に練習する仲間だからこそちょっとした成長をお互いに感じることができますし、「あいつができるなら俺にもできるはず」という競争するマインドを掻き立てます。

私が指導するチームでは低学年時にリフティングの回数を競っている選手たちがいました。別にコーチ陣が競うように仕向けたわけではなく、勝手にやり始めたので見守ることにしましたが、結果としてその学年の選手たちは3年生になる前にはリフティング100回に到達する選手が半分以上いました。リフティングができるからサッカーが上手いとは言いませんが、1つのことに取り組み、競争する姿勢は大いに評価できます。また、リフティングには間接的に様々な恩恵を受けられる要素があるので、早い段階で基本のインステップリフティングをマスターしてくれたことはコーチとしても非常に助かりました。

リフティングについてはこちらの記事を参考にしてみてください。

リフティングする男性
自主練の代名詞「リフティング」 私の持論ですが、サッカー選手としての成長は、ゴールデンエイジなどの大幅な成長期にどれだけボールを触っていたかによって変化していくものだ...

人が何かを変化させるとき、1人ではあまり変化をつけられないと思います。例えば、生活習慣を変えて毎日3km走ろうと思っても、1人では長続きしないのが人間です。しかし、その毎日3kmのランニングを一緒にやってくれる仲間がいたらどうでしょうか?

お互いを意識することで、ランニングをサボってしまうことは減ると思います。

これはかなり柔らかい例えでしたが、サッカーにおいては仲間と一緒にやることで成長が生まれます。確かに対戦相手がいて、相手チームより1点を多くとることを競うスポーツですが、その前に試合に出る出ないを競うチーム内競争に勝たなくてはなりません。

だからこそ「あいつより上手くなりたい」「あいつには負けたくない」という闘争心が必要なわけです。

“勝利”を意識させよう

ライバル。腕相撲。

闘争心を養うにはサッカーの練習から“勝負”を意識させる必要があります。

アジリティのトレーニング1つにしても競争形式にすることで、お互いの意識が高まり、トレーニングとしての効果もより実りあるものを見込むことができます。

この際に注意してほしいのは「負けたら~」を使いすぎないことです。

トレーニングでは罰ゲームをつけることで強度を上げることができますが、その罰ゲームが重いものになってしまうと「負けたらやばいからやる」という“負け”という言葉が入ったものになってしまいます。

逆に、例えば「勝った今日の片付けはなしね!」という設定にすれば、勝つことで得られるものがあるという意識に変わります。

とは言ってもこれは例え話に過ぎません。

私もロンドで回された鬼役には罰ゲームは付けますし、一定の強度は必要です。しかし、公式戦に負けたから走らせるといった具合の罰ゲームは私は好みません。

本当に酷い内容で負けたのならその罰ゲームを使う可能性もありますが、そうでない場合に走らせるようなことは選手にとってただの苦でしかないですし、「負けたら走りだから頑張る」という真っ当ではない理由で力を発揮することになります。

あまりよくないかもしれませんが、子どもの内は「今日の大会優勝したらアイスかってやるよ!」というように勝つことで具体的に得られるものを提示してあげるのもアリですね。サッカーに対して「勝ちたい」という想いがしっかりとついてくれば、その必要はなくなります。「上手くなりたいんだったら勝利を目指せ」「1つ1つの勝負に負けるな」というように多少厳しい言葉でも大丈夫です。

ここまで闘争心について書いてきましたが、小学生の内から闘争心を持てている選手はそう多くはありません。いきなり勝負にこだわる姿勢を見せろと言っても不可能なので、低学年時から競争を意識したトレーニングやコーチング、コミュケーションで闘争心を少しずつ養っていく必要があるでしょう。

そこで養なわれた戦うマインドは、例え将来サッカー選手になれなくても、社会で十分に活躍するために必要なモノだと私は思っています。

今回の記事はここまでとなります。
ここまで読んで頂きありがとうございました!

writer koyo