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【守備の限定】2人でボールを奪うためのトレーニング

ディフェンス練習。2人でボールを奪う

常日頃よりブログなどで発信していますが、サッカーはチームスポーツです。日本では個人の能力を伸ばす傾向が強いですが、大前提としてサッカーは連携が必要不可欠なスポーツであることを再認識しなければいけないと思います。

小学生年代では1対1の強さにフォーカスした個人スクールなどが流行しつつあります。もちろん個人技を磨くのは素晴らしいことですが、それだけではダメです。よって、グループ戦術を身につけていかなければなりません。攻撃は1人でどうにかなっても、守備は1人では非常に難しいです。ということで、手始めに今回は2人でボールを奪うためのトレーニングを紹介していきます。

2vs1+1【オレアーダ】

サッカーの練習。2vs1+1
  • オフェンス…2人
  • ディフェンス…2人
  • タッチ制限…なし
  • 勝利条件…紺点線をドリブル通過(DFは奪ったら逆側を通過)
  • 開始方法…パスリターン
  • 想定状況…2vs2の局面(ディフェンディングサードorミドルサード)
  • コートサイズ…縦15歩・横18歩(大人)のコート2面分
  • ディフェンスは赤点線を越えて守備を行うことができない

このトレーニングは2vs1ビルドアップのトレーニングの派生版です。そのため、2vs1ビルドアップのトレーニングがクリアーできなければ、このトレーニングを行うことは難しいです。

サッカーボールを蹴る人、オフェンス練習、ビルドアップ
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このトレーニングのポイントは、赤点線を越えてディフェンスに行けない状況下でどのようにボールを奪うかです。オフェンス側からすると2vs1が2度繰り返されるように感じますが、ディフェンス側の2人がこのトレーニングのポイントを抑えてプレーできれば、一時的に2vs2もしくは1vs2の状況を作り出すことができます。

1人目(前衛)はオフェンスのプレーを限定する

サッカーの練習。2vs1+1。コースの限定

まず、ディフェンス側の前衛の選手で最も重要なことは「相手のボールホルダーのプレーを限定する」ことです。上記画像のように、ボールホルダーが味方にパスを出せないように(左側のエリアを使わせないように)プレスに行くことで、黒点線のエリアに誘導することができます。ディフェンスとしては、相手をより狭いスペースに追い込むことでボールを奪える確率を上げていきます。

ここで注意したいのは、1人目のディフェンスは「ボールの奪取」が目的ではないことです。あくまでボールを奪うのは後衛に位置する2人目のディフェンスであり、1人目は後ろの味方がボールを奪えるように誘導することが最大目標となります。相手のボールタッチにミスがあった場合など、ほぼ100%ボールを奪えそうな状況にならない限り、チャレンジすることはしません。もし仮に全力でボールを奪いに行ってしまった場合、相手は2人いるので簡単に剥がされてしまい、オフェンス側の思う壺となってしまいます。

数的優位を作り、2人目(後衛)で確実に奪う

サッカーの練習。2vs1+1。数的優位の局面を作る。

このトレーニングの理想の形は上記画像のような、特定のエリアで限定的に1vs2の状況を作り出すことです。水色点線で囲まれたエリアでは、一時的にオフェンスの人数よりディフェンスの方が上回っています。この状況を作り出しサイドチェンジをさせなければ、ディフェンス側はこのままボール奪取できる確率が非常に高くなります。

この状況を作り出すためには、1人目のディフェンスのプレスの仕方が重要になってきます。先程述べたように、1人目がボール奪取を目的としたプレスをかけてしまうとオフェンスは自由にボールを動かすことができ、一時的な数的優位を作れません。また、2人目のディフェンスが前衛との距離を取りすぎていてもボールを奪えずにまた、2vs1を繰り返すことになってしまいます。

サッカーの練習。2vs1+1。失敗例。

また、2人目がファーストディフェンスとの距離感を誤ってしまう(近すぎor遠すぎ)と、上記画像のようにオフェンスに簡単にプレーされてしまいます。ディフェンスが大きく開いたところのギャップにパスコースが生まれてしまい、ファーストディフェンスが追い込んだ意味はなくなってしまいます。

このようにファーストディフェンスと2人目の関係性でボールを奪うことができるようになれば、チームディフェンスの向上にもつながるようになります。ディフェンスからしてもっとも嫌なのは、相手にフリーの時間を与えて、相手がどこにでもパスを出せる状況になってしまうことです。また、フリーということはドリブルの選択肢も考慮せねばなりません。ディフェンスは、想定しなければいけない状況が少なければ少ないほど予測して守ることができます。守備はどう足掻いても相手の攻撃に対してリアクションで動くことには変わりないので、相手のアクションを先読みし、いち早く対処する能力が求められます。そのためには懸念材料を最小限にするため、ファーストディフェンスが相手のプレーを限定することが重要です。そうすることで、後ろのディフェンダーはボールを簡単に奪うことができるようになります。

まとめ

今回のトレーニングは、攻撃側がある程度ミスなくボールを運べるようになった段階で取り組むべきものです。攻撃側から考えて2vs1という有利な状況でボールロストしてしまうことが多い場合には、このトレーニングはまだ時期尚早だったと言えます。

トレーニングは攻撃と守備の強度の追いかけっこです。どちらかが上回ったら、そうでない方の強度を上げ、またそれを繰り返すのみです。攻撃の質を上げるには、日頃のトレーニングから守備強度が高くなければそれは達成できませんし、逆も然りです。そのバランスを考えつつ、練習のプランニングを行っていきましょう!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

writer koyo